心筋梗塞も脳卒中も生活習慣が作る病気、原因は血液と血管にあり
ガン、心疾患、脳血管疾患——現代の死亡原因のワースト3である(1998年厚生省「人口動態調査」)。心疾患と脳血管疾患とではまったく異なる病気のようにも見えるが、問題が発生する部位 が異なるだけで、どちらも血管や血液がその原因であることは同じだ。
動脈硬化が血流障害の最大の原因
前ページの質問で、ひとつでも「イエス」があった人は、なるべく早いうちに病院で検査を受けたほうがよいだろう。一番下を除いて、どれもが典型的な血流障害の前兆の症状なのである。血液の流れが妨げられる血流障害が深刻なのは、運動や言語、思考といった機能に障害を残すことがあるからだ。とくに脳血管障害の場合、一命は取りとめてもその後のQOL(生活の質)の点で問題を残すことも少なくない。自立した生活を送ることが困難になるなど、本人はもちろん家族や周囲の人にも大変な努力と工夫が求められることになる。
では、なぜ血液障害が起きるのか。宅配便におきかえて考えてみるとよくわかる。それぞれの顧客から集まった荷物(酸素や栄養)は、集配センターで方面別に分けられ、超大型のトラック(血液)に載せられ届け先にもっとも近い集配センターに向けて高速道路(大動脈)をひた走る。途中、他の車が投げ捨てたゴミが道路に散乱していて、それを避けようとして1台のトラックがスピードを落とすと、次の車もそれにしたがうため、後続では渋滞が発生する(脳血栓)。
しばらくすると、前方で何らかの事故があったらしく、高速道路が全面通行禁止になってしまい荷物が予定どおり届けられなくなってしまう(脳梗塞)。他のルートを通った車は無事、目的地の集荷センターに到着。荷物は、方面別に仕分けられ大型トラックに詰め替えられて、それぞれ目的地の営業所に向かう。営業所から各家庭や事業所に配達に向かうが、幅の狭い道路(毛細血管)もあるので、配達先に応じて小型のトラックに積み替えられる。途中、細い道路で路肩が崩れ落ちていて1台のトラックが脱輪してしまった(脳出血)が、その他のトラックは無事、各配達先に配達を終えた。
このように、血液がスムーズに流れるためには道路(血管)と車(血液)の双方がそれぞれ整備されていなければならない。血流障害が起きた場合、動脈のバイパスを人工的に作り血液の流れをよくするなど、緊急的な回避措置は必要だ。だが、いつまた同じことがおきるとも限らない。血流障害が生活習慣よって作られた体質に起因しておこるものである以上、その根本原因を改善しない限り、抜本的な解決にはならないからだ。