新潟県上越市に事務局を構える『エイジング・ネット(http://www.ageing-net.com)』は、痴ほう症に直面 している高齢者と、その介護にあたる家族を対象に、ライフスタイルの向上を目指した情報提供を行う、インターネットのコミュニケーション・サイトだ。
このサイトの運営にあたり、事務局を務める俵木一志氏は、痴ほう症などに対する正しい知識を、これから高齢者となる人々や、高齢者がいる家族のひとり一人に理解してもらうこと。そして、自分のライフスタイルを考えてもらいたいという願いが、サイトを立ちあげるきっかけになったという。
「これまでの日本の福祉政策は、ある意味で“寝かせきり老人”を増やしてしまうようなシステムであった、そういう結論がでているのではないでしょうか。そうなると、これからは違ったシステムで高齢化問題に取り組み、地域という単位 でこれをクリアーして行かなければなりません」
これから先の20年で日本の社会は高齢化のピークを迎える。その時に、高齢者やその家族が地域社会の中でいつまでも活躍し、人生を楽しめるようなシステムが必要になることは間違いない。
エイジング・ネットの事務局は、特定非営利団体(NPO)である『グローバル・スポーツ・アライアンス(GSA、http://www.gsa.or.jp)』の上越事務局を兼ねるオージャス株式会社内(http://www.ojas.co.jp)の一角にある。オージャスは、GSAの活動を通 じて環境問題をスポーツの視点から考える先進的な取り組みを行うとともに、編集委員のひとりとしてエイジング・ネットへ最新の情報通 信技術を提供している。
「なぜ、痴ほう症・高齢化問題のサイトに情報通信技術の編集委員が必要なのか? そういう疑問の声もあると思いますが、情報を利用してもらうことを第一に考えれば、その答えが見つかります。年齢を重ねられた方や障害をお持ちの方でも簡単に情報を探せ、発信できる方法と手段、それにはストレスをともなわない情報通 信技術が必要なのです」
具体的な活動としては、この活動方針に基づいたホームページの作成と、事務局に寄せられた質問への回答があげられる。年齢を重ねることで生じる身体的な障害や心の健康、痴ほう症・高齢化問題について、全般 の情報を提供する場となる訳だ。編集委員には、老年精神医学をはじめ、情報通 信技術、医学関連情報、環境問題などの各分野を専門とするメンバーが揃う。今後、それぞれの専門性を活かし、痴ほう症・高齢化問題や、障害に関連した生活支援情報を掲載していく予定もあるという。
「エイジング(AGEING)とは、年齢を重ねられた方々を敬称する意味があります。ですから年齢を重ねた方だけでなく、障害をお持ちの皆さんやそのご家族の方まで、広く活用していただきたいのです」
サイトのオープン時には「痴ほう症・高齢化社会を考える」と題し、痴ほう症のメカニズムから、これに関連する背景、アルツハイマーの診断プロセスまでを詳細に解説したコンテンツが掲載されている。これらは、痴ほう症を心配する高齢者や家族が、ふと疑問に思う事項をベースとしているため、必要な情報が得やすくまとめられている。
「まずは、ご家族の方に痴ほう症というものを理解していただく事が第一です。そして、痴ほう症そのものの知識を得ることで、症状の進行をできるだけ遅らせ、本人や家族にとってどのようなサポートやケアが必要なのか考えていただければ幸いです。
サイトをご覧になった方に、いかに人生を楽しんでいただくかということがエイジング・ネットの最終的な目標なのです。
今は介護保険制度により、利用者自身がサービスを選ぶことができます。しかし、キチンと勉強していないと、今受けているサービスが自分のライフスタイルにあった質の高いサービスであるか否か、知らないままサービスを利用することになってしまいます。まずは、知ることが大切で、そこからから始まるのです。
今の40代、50代の方は、今後、高齢化社会の一員になります。この世代の皆さんが、痴ほう症や高齢化問題について知識を得ることは、後に訪れる高齢化社会で、自分のライフスタイルを考えるきっかけになります。そうすると、私たちが提供する情報をどうやって使っていただけるか、とういうことが大切になってきます」