女性ホルモン補充療法の効果
更年期障害の治療にあたっては、いわゆる対症療法が取られる。更年期障害は老化に伴って現れる症状で、老化を止めることはできないため、根本治療は不可能な訳だ。対症療法としてあげられるのは、大きく分けて3つ。
まず、心理的なものの影響が強いときに行われる心理療法。問診でもカウンセリング的な要素が大きが、必要に応じて診療内科や精神科、神経科の治療を受ける事になる。また、自律神経のバランスを正常化して軽い更年期症状を改善したり、成人病予防やストレス解消にもなる運動療法もある。
そして、更年期障害に物理的に働きかけるのが薬物療法。ホルモンの変調が自律神経の乱れを引き起こしているため、自律神経の中枢に直接働きかける自律神経調整剤をはじめ、精神安定剤や抗うつ剤など、症状に合わせた薬が用いられる。特に更年期障害の改善に効果 を上げているは、漢方薬とホルモン剤だ。
ホルモン剤は、変調をきたしたホルモンを外から補うことによって、自律神経の乱れを整えて行こうとする治療法で、かつてはエストロゲンと男性ホルモンとの混合ホルモン剤が使われていた。男性ホルモンは活力をつけるために混ぜられており、声が太くなったりスネ毛が濃くなったりという男性化が副作用として見られる場合もあった。ホルモン剤は筋肉注射が主流で、更年期障害の一時的な症状改善を目的としたもの。
現在、主流となっているのは、男性ホルモンは使わず、女性ホルモンだけを用いる女性ホルモン補充療法だ。これは、体内で不足している卵胞ホルモンと黄体ホルモンを外から補い、更年期障害のさまざまな症状を改善するだけでなく、骨粗鬆症や動脈硬化など、卵胞ホルモン(エストロゲン)が長期的に不足することによって起こる更年期以降の慢性症状を治療したり、予防することもできる。ここ数年、女性ホルモン補充療法が注目を集めてきたのも、こうした効果によるところが大きい。