何かヘンだな……と思ったら
一日も早くプロのいる更年期外来へ
多種多様な症状が全身に現れる更年期障害を効果的に治療するなら、産婦人科の更年期外来を訪れるのが得策だ。更年期外来というと何か特殊なものと感じるかもしれないが、身構える必要はない。
まず、はじめにSMIチェック表を記入し、更年期症状の度合いを測る。そしてホルモンの不足やコレステロール値をみるための血液の検査、子宮ガンや乳ガンの検査のほか、エストロゲンが深くかかわっている骨密度を調べたりと、必要に応じた検査も行う。そして、何よりも大切なのがカウンセリングだという。
「更年期障害になる原因を考えると、3つのファクターが考えられます。第一に上げられるのがホルモンが欠乏すること。閉経すると卵巣が働かなくなるわけですからホルモンが減る。これは全員が通 過する過程なのに、つらい人と、それほどつらくない人がいるわけでしょう。
そこで出てくるのが個人の環境。夫の理解がないとか両親の介護だとか、その人が抱えているストレスの大小で症状が変化します。もう一つは、その人のキャラクター。物事に対する受け止め方は、性格によって違いますから。この3つの要素が影響しあって、更年期障害が強くなったり弱くなたったりする訳です」。
症状がひどく出てしまう人には、ホルモン以外の理由があるというのが野末医師の持論だ。そういう意味で、減ってしまったホルモンを補うだけで、全員がすぐに治るという単純なものではない。
「だから診察の時には、その人の悩みを聞いて、その人にはどういう解決法があるのかを一緒に考えるようにしています。
更年期障害の大部分は体の問題なんだけれども、結局は心の問題が解決しないとダメなんです。心の問題を聞き出してあげるだけで、自分なりに解決するメドが立つんですよ。そうやって患者さんの役に立てることが第一と私は考えています。婦人科は女性が健康を相談できるところですから、何か気になる症状があれば門をたたいてほしいのです」。
横浜市立大学医学部を卒業後、東大病院分院産婦人科に入局。関東中央病院、母子愛育会病院、川崎協同病院副院長・産婦人科部長を経て、定年後コスモス女性クリニックを開設し現在に至る。乳ガンの根治手術や女性ホルモン補充療法など、自らの実体験をふまえての診療が厚い信頼を集めている。乳房健康研究会の一員として、乳ガンの早期発見につながる自己診断の普及にも力を注いでいる。