患者の話をじっくり聞きながら
治療するのが漢方医学の特徴
先ほど「悪い副作用」という言葉が出ましたが、もう少しご説明いただけますでしょうか。
玉田 薬には期待される作用というものがあります。たとえば血圧降下剤で、血管を開き血圧を下げる働きがあるものがありますが、血管を開く働きが主作用です。この主作用以外の作用はすべて副作用になります。血管を開くために開発したのに、実は別 の作用で役に立ってしまったということもあるわけで、これも副作用なわけです。もちろん悪く作用するものもあり、それを「悪い副作用」というわけです。
ただ、一般に漢方薬には主作用、副作用という考え方はありません。この病気にはこの薬ということは決められないのです。遺伝的なもの、年齢的なもの、環境的なものを加味しながら、これが合っているのではないかと、過去の事例も参考にしながら決めていくわけです。
非常に難しい技術が要求されるわけですね。
玉田 その意味では、患者さんの話をじっくり聞くことが大事になってきますね。漢方医学は数字を見て治療する医学ではありません。ひたすら患者さんの話を聞くことです。
私はつい最近まで小児科の医師でしたし、カウンセラーの専門家でもあります。漢方というのは、患者さんがどういうふうに実感するかを大事にする医学ですから、治療に当たっては、患者さんの話を聞き、確認し、伝えることを大事にしなくてはいけません。患者さんと一つずつ話し合いながらやっていくということでは、カウンセラー技術が大きく役立っていますね。
その意味では、臨床医はジェネラリストであるべきだと思います。患者さんは、ここが痛い、あそこが痛いと、いろいろなことを言われます。そう言われているとき、患者さんはいろんなことを相談したいのだと思います。つまり、患者さんが求めているのはスペシャリストではなく、ゼネラリストだと思うんです。
「すべて診てもらうくらいの気持ちで
受診されることが大事ですね」
玉田 最近、各病院に総合診療科を設置する動きがあります。病院は診療科目が細かくわかれていて、内科一つとっても、消化器科があったり循環器科があったりという具合で、患者さんはどこへ行っていいかわかりません。そこで総合受付に行くわけですが、その総合受付の役割をもう少し突っ込んだかたちにしたようなものでしょうか。
総合診療科というのは、なんについても応えられる、まさにジェネラリストが要求されるんだと思います。実態はよくわかりませんが、そういう動きが出てきていますね。患者さんから求められている結果 の姿だろうと思います。そういう中で漢方も総合医学として必要とされることがあるのではないかと思っています。
最後に受診されるときの注意点をお聞かせください。
玉田 漢方医学は実感を重んじる医学です。患者さんの話を聞きながら一緒になって治していくわけですから、医者には患者さんの話をしっかり聞く姿勢が必要とされます。
また、毎回診察をするのも漢方診療の特徴です。とくに腹部を触って診察するすことは欠かせません。そのためリラックスした服装で医者に行くことをお勧めします。すべてを診ていただくというくらいの気持ちでいらっしゃることではないでしょうか。