脳卒中--いち早く機能回復を助ける漢方療法
昨日まであんなに元気だったのに……。脳卒中が怖いのは突然襲ってきて命を奪ってしまうからだ。運良く助かったとしても後遺症に悩まされることになる。 漢方は脳卒中にも大きな効果をあげている。
脳卒中は、脳の動脈の急激な血行障害によって起こる。漢方の治療では、同じような症状が現れる脳出血や脳軟化、くも膜下出血などは、とくに区別 せずに脳卒中としてくくっている。
この発作に見舞われると、回復しても運動麻痺と意識障害が残ることがほとんどだ。
そして、この発作は突然襲ってくる。時には、発作の前に、頭が重い、頭痛がする、めまいや耳鳴りがする、といった症状が現れたり、ろれつが回らない、なかなか寝付けない、いらいらする、といったことも起こるが、それも発作が起きてみて「そういえば……」と思い当たる程度のことで、発作の前に的確に感知できるものではない。
出血が軽かった場合は、一時的に失神し、軽い言語障害や知覚・運動障害が残る程度だが、重傷の場合は命に関わるし、意識が回復しても、半身不随になることが多い。左右どちらかの上下肢や顔、舌筋に運動障害が起こり、言語が不明瞭になる、というのが象徴的な症状である。
さて、漢方薬が活躍するのは患者が薬を飲める状態になるとすぐ、である。病気の悪化(再度の脳卒中の発作)を防ぎ、機能回復を助けるわけだ。
例えば、「三黄瀉心湯」や「黄連解毒湯」には、止血、鎮静、消炎の効果があるので、発作直後に用いられることが多い。これによって、充血を取り除き、出血を止め、精神の興奮状態を静めて血圧を安定させる。
「大柴胡湯」は骨格質のがっちりした体格で、胸脇苦満があって便秘がちの人に用いられる。半身の麻痺だけが残っているような人にも効果 があるし、この漢方薬を飲んでいるような人が「柴胡加竜骨牡蠣湯」を飲めば、神経の高ぶりや不眠、めまい、動悸などを抑えることができる。