「無理をしない」が鉄則
では、どうやって治っていくのだろう。完治はするのだろうか。先生は穏やかに、女性はみるみるきれいになりますよ、お化粧をしたり、きれいな服を着るようになる、色もね、と笑いながら答えられた。それに「ああ、お花がきれい」とか「この音楽がすてき」と感動できるようになり、周囲を見渡す余裕が出てくる。
そうすると周りとの関係も変わってくる。そして自分を客観視でき、自分で自分を縛ってきたものから解放され、自分に対して絶えず新しい目標を設定したり、変更できるようになっていく。完治は薬を飲み忘れてしまうことかな・・・・。
ところで、うつ病にかかりやすいのはどんなタイプの人だろう。即座に、律儀、几帳面な人との返事。融通を利かせて、場面や状況に応じて目標を設定しなおすのが苦手なタイプ、ということらしい。そんな人には、無理をしないこと、目標の60 パーセントができれば良しとすることを提案している。
そして、周囲の人には励まさないことをお願いしたいという。「元気をだして」や「やればできるんだから」などは禁句。家族や周囲の人の理解があると、治療の大きな助けとなる。多少時間がかかる場合もあるが、うつ病は必ず治る。
さて、そうは分かっていても、精神科に行くのには勇気がいる。田辺先生は開院した22年前から、何とかその偏見と暗いイメージを払拭しようと努めてきた。
最近は、精神科の看板を掲げずに、メンタルクリニック、メンタルヘルスクリニックと表現したり、心の問題が身体的に表れてきたものを専門とする心療内科なども増えてきている。いずれにせよ街中で開業している精神科は、特別 な重い精神病の患者さんだけを診ているのではありません。ほとんどの患者さんは、誰でもかかる可能性のある、よくある病気です。おかしいな、と思ったら、まず診察を受けてみてほしい。