前立腺肥大症 (予防医学、自然療法健康ガイド)
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前立腺肥大症

処方される漢方のメカニズム

 投薬される漢方を知ることは、自分の病状の回復具合を知ることにもなり、安心して治療に専念できる。ここでは肥大症に用いられる漢方のメカニズムについて、詳しく説明していこう。

「八味地黄丸」は「地黄」「山莉萸」「山薬」という滋養作用がある生薬で構成され、体に栄養とエネルギーを行き渡らせる効能がある。また、「沢瀉」や「茯苓」で体内の余分な水分を排除、「牡丹皮」で血流改善や消炎を図るのだ。さらに「桂枝」や「附子」を加えて新陳代謝を高め、冷えをとり、痛みやしびれなどの知覚異常を回復させる。

「牛車腎気丸」は、消炎利尿作用のある「車前子」と足腰の弱りや痛みを取る「牛膝」が八味地黄丸に加わっており、足腰が弱ってむくみが生じている老人には八味地黄丸よりも効果 的なのだ。

 ただし、「八味地黄丸」と「牛車腎気内」の構成生薬である「地黄」は胃もたれや食欲低下を引き起こすことがあるので、胃腸の弱い人は注意した方がいい。「八味地黄丸」は前立腺肥大症で最初に投薬される漢方であるが、残尿感をとることはすぐには望めない。残尿感を取り除くことを優先するなら、かえって「駆お血剤」の方が確実だ。実際は「八味地黄丸」と「駆お血剤」を組み合わせて使用することが多い。

「駆お血剤」の基本処方である「桂枝茯苓丸」は患者の体質にあまりとらわれることなく使用できる便利な漢方だ。

 構成生薬の「牡丹皮」「桃仁」「赤芍」は血流改善に働き、「茯きん」は炎症組織に停滞した余分な水分を取り除く。これに気を巡らす「桂枝」が気・血・水のバランスを取る。

 清熱剤の「清心蓮子飲」には炎症を鎮める「麦門冬」「地骨皮」「黄苓」と、胃腸の働きを良くする「人参」「黄耆」「茯苓」「甘草」が配合されており、そのため「八味地黄丸」が飲めない胃腸の弱い患者に適しているといえよう。

病状の程度で投薬する
漢方は変化する

 専門的に前立腺肥大症は、図のような3段階に分かれて進行する。
 病状が第1期、第2期における漢方は、補腎剤、駆お血剤、清熱剤を組み合わせる。この段階はまず病状の改善が第一で、これにより残尿は減少する。
 第3期になると、カテーテル(導尿管)を膀胱内に留置し、腎臓の負担を減らしながら、腎機能の回復を図る。補腎剤、五苓散などの利水剤、腎性貧血に対して気と血を補う十全大補湯などの気血双補剤を投与する。

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