考え方を変えることでつらい病気とも明るくつきあえる
松田メディカルの松田育三医師は、長年にわたり消化器内科の臨床医として多くの患者と接していく中で、病気を「悪」と決めつけ、薬や手術で徹底的にやっつけてしまおうとする現在の医療の状況に大きな疑問を抱いていた。
そして現在では、病気と全面的に戦うのではなく、ジタバタせずに自然に身を任せてみようという柔軟さが必要なのではないかと訴えている。「病のすべては心が関与している」として、糖尿病にも独自の持論をもつ松田医師に話を聞いた。
近代化が生み出した病気「糖尿病」
糖尿病患者が増えてきた理由としては、カロリーの取りすぎや運動不足と共に、精神的、肉体的ストレスによるところが大きい。まさに、近代化が生み出した病気とも言える。
人間が飢えと闘っていた頃は、摂取した食糧を脂肪として蓄え、気温の変化など、必要に応じてそれらをエネルギーに代えていた。人間の体は、本来そういうものである。ところが、環境に適応する体質を本来持っているにもかかわらず、飽食や冷暖房、少しの距離にも車を使うなど、文明の力が加わったことで、自らのエネルギーを使うことが減り、その分脂肪がたまってしまったのである。
戦後、日本では豊かな食生活、運動不足になったことで糖尿病の人口は徐々に増加して来た。これは遺伝的素因のある人が増加したのではなく、生活習慣が変化したことで発症因子が増加したためである。
そして、近年ますます増えているのがストレス。人間の体はストレスを感じると、防衛反応として血糖値を上げる作用のあるアドレナリン、ノルアドレナリンといったホルモンを分泌する。ストレスによって血糖値が上昇するのは、危機的な状況を乗り越えられるように体が準備をしているのであって、一概に悪いとは言えない。
しかし、糖尿病の素質を遺伝的に持った人は一度上がった血糖値が引き金になってなかなか下がらないケースがある。