こじれると不安になる
『ステロイド』の常用。そして漢方へ これからのシーズンはこの「夏の症状」に対応しなければならない。
基本はスキンケア。肌が汚れていると細菌は増殖しやすいから、肌は常に清潔でなければならない。
表2 そして、ハウスダストなどの環境抗原のある人は夏の症状と環境抗原の2つに留意した生活を心掛ける必要がある。
さらに、最近注目されているのがストレスである。今までとまったく変わりなく生活していて状態は良かったのに、ある日突然悪化した、ということにはたいていストレスが影響している、といわれる。それが本人が意識しているものか否かは別にして、何らかのストレスに反応した、と考えられる。現代のようなストレス社会では、この要因にも留意しなければならない。
とはいえ、発症する症状は同じだ。それが良くなったかに見えて、また悪くなり、を繰り返す。最初は対処療法でしのいでいても、次第にこじれてきて、そうなると、今までのやり方でよかったのか、という疑問がわいてくる。このままの治療を続けていていいのだろうか、と不安になる。使っている薬がステロイド剤であればなおさら不安になる。そして、もっと根本的なところから治さなければならないんじゃないか、と考える……。
これはアトピー治療の行動様式のパターンとして、よくいわれることだ。「ドクターショッピング」といわれるように、「いい」と聞くと、とりあえずその医者に行ってみる、治療を受けてみて、思うような結果が出ないとまた医者を変える、ということを繰り返す。そうするうちに、症状はさらにこじれることもあるし、いい医者に巡り会えて症状が安定することもある。
ただ、たいていのアトピー患者はステロイド剤を使っての対処療法をやめたいと考えるようになる。だんだん強いステロイド剤を使わなければならなくなる状況に不安を感じるのだ。
そして、探し当てる治療のーつが漢方である。
以前は漢方治療は保険の対象外のものが多く、いくら効果があっても高くて続けられない、という声もあったが、今ではほとんどの漢方薬が保険の適応を受けられる。
診療する医師も、漢方薬と化学薬剤(新薬)をうまく組み合わせることで、対処療法をしつつ、根本的な体質の改善を図ることで一定の効果をあげている。それが「アレルギー疾患には漢方がいい」といわれるようになったゆえんだ。
そういわれるのは、漢方は、単なる対処療法ではないからだ。言い換えれば、漢方によって皮膚や体調の弱い部分を改良し、外からの刺激に強い体にしていくから、多少のことではアレルギー反応を起こさないようになるのだ。
また、最近の研究で、免疫・アレルギーに関係するリンパ球のT細胞のうち、ヘルパーT細胞(Th細胞)といわれるものが、Thl細胞とTh2細胞に分けられることがわかったのだが、アレルギーの人ではこのTh2細胞がTh1細胞に比べ優位になっている。この細胞は1gE抗体を上昇させたり好酸菌を増加させたりする物質を産出する性質があり、これがアトピーの症状を悪化させていると考えられるのだが、このバランスを改善する漢方薬があり、「アトピーには漢方」という評価をより高めている。