数分、手のひらをみるだけで病気がわかる
近年、「予防・未病医学」の必要性が叫ばれている。西洋医学の治療技術は必要不可欠であるが、多様化する疾病に対応しきれていない事実が露呈してきたからだ。この状況を背景に近年、注目を集めているのは、中医学や東洋医学と西祥医学を併用した「統合療法」だ。そのうちのひとつとして、4000年とも5000年とも言われる中国伝統医学と西洋医学をミックスし、膨大な臨床データの元に誕生した"掌紋医学"が、中国で話題となっている。発病の可能性のある疾病の特定、病歴などを判別できるのが特長だ。この掌紋医学とは何なのかを現地取材から報告する。
21世紀の未病医学が誕生
掌紋で病気がわかる
"手のひらを見ただけで病気がわかる"というと、単なる手相のように思われがちだが、実際には一五万人の分析データから体系化された診断方法である。手のひらに刻まれている線、紋を分析することで、病歴から今後発病する可能性のある疾病を特定でき、漢方を中心とした処方をおこなうことで、病気を予防していく『未病』をコンセプトにした"掌紋医学"というものである。主に中国の雲南省で利用されている医学であり、手掌の線と紋を中心に疾病を診断・解析、チベット丸薬や漢方で処方するという世界でも類例の少ないものだ。
考案者は14歳から医学を学びはじめ、南京薬学大学での研究を経て漢方医となった王晨霞医師だ。20年前から掌紋の研究を開始、これまで15万人の掌紋を分析した。
王医師「中国伝統の顔、手などから診断する形相学を批判するために、形相学の文献に記載されている掌の病理紋(病気を表す掌の模様)を検証しようと、実際に中国各地の専門病院を回り、ガン、糖尿病、不妊症、精神病などの患者の掌紋を一つひとつ調べたのです。その結果、批判するどころか形相学による診断の的中率が高いことが分かり、社会に役立てた方が良いと思って掌紋研究を始めたのです」と王医師は語る。
研究の末、掌と臓器の対応領域、掌の14本の線と疾病の関係、8種類の病理紋の性質を解読、体系化に成功したというのだ。
「診断ミスはなく、ガンや腫瘍などの早期発見、130種類の疾患を診断でき、未病の段階を発見できるのが大きな特徴です」
王医師がこのように"診断ミスはない"と言い切るのは、中国の名医として名高い扁鵲も掌紋を活用したという伝統があるからであろう。