必要なサービスをクリアにする要介護度の認定
それでは、介護保険のサービスを実際に利用するには、どうすればよいのだろうか。その手続きの大まかな流れは、品川区を例にあげた表の通りとなるが、市区町村によって対応窓口などが若干異なる部分もある。
まず、介護保険によるサービスを受けるには、前段でも述べたとおり一定の資格を満たしている必要がある。その状態を判断するのが『要介護認定』で、この認定を受けるためには役所や社会福祉協議会、在宅介護支援センターなど、市区町村が定めた窓口に申請を行わなければならない。
認定の申請をすると、市区町村の職員や委託を受けた介護認定調査員が申請者の家庭を訪問し、85項目におよぶ『基本調査票』に基づいて、身体的な事柄や日常生活の状況、痴呆症状や認知的な面などを聞き取り、コンピュータ処理によって1次判定が行われる。
そこに、基本調査では把握できない状況を調査員が記入した『特記事項』および、医療面での対応のために主治医による意見書(主治医がいない場合は市区町村が指定した医師の診断を受ける)を併せて『介護認定審査会』で最終的に表3のような『要介護度』が決定される。介護認定審査会は、市区町村が任命した5人程度の福祉、保険、医療の専門家で構成されており、総合的な面で判断が下されるという訳だ。
ただし、要介護認定には有効期間があり、原則として6カ月、認定を受けた人の状態や病状によっては8ケ月や1年など、審査委員会で定められる。この期限の60日前から更新として、その都度あらたに判定を行うが、期間内であっても要介護者の状態が変化した場合は『再申請』ができるほか、判定結果に納得できない場合に『再調査』を申し込むこともできる。
要介護認定のモデル例
要介護度 高齢者の状態
要支援 要介護状態とは認められないが、社会的支援を要する。
食事・排泄、衣類の着脱は自立しているが、ときどき支援を必要とする。
要介護I(1) 生活の一部について部分的介護を要する
食事・排泄、衣類の着脱はおおむね自立しているが、一部介助支援を必要とする。
要介護II(2) 軽度の介護を要する
食事、衣類の着脱は何とか自分でできるが、排泄は介護者の一部介助を必要とする。
要介護III(3) 中程度の介護を要する
食事、衣類の着脱は介護者の一部介助を必要とする。排泄には全面的な介助が必要。
要介護IV(4) 重度の介護を要する
食事・排泄、衣類着脱すべてに介護者の全面的介助が必要。尿意・便意が伝達されない。
要介護V(5) 苛酷な介護在要する
寝返りもうてない寝たきり状態で、意志の伝達が困難。介護者の全面的な介助が必要。