更年期障害を『ホルモン補充療法』『漢方療法』で治療
「ホルモン薬は、一般的に1カ月を1周期として利用します。はじめはプレマリンを試すことが多いのですが、一応2周期続けて経過を見ます。体質にもよりますが、エストロゲンを飲み始めて、だいたい2、3カ月もすると症状はおさまってきます。しかし、次の症状が出てきます。それが更年期なんですね。
エストロゲン(女性ホルモン)が果すさまざまな役割
性腺
性器の発育を促進する
排卵前に増加して排卵への引き金となる
子宮内膜を増殖して妊娠の環境を整える
膣の萎縮を防ぎ粘液の分泌を促進する
子宮頻管粘液を分泌して感染防止と精子を進入しやすくする
乳腺
乳管の発育を促進
皮膚
乾燥と萎縮在防ぎ、張りを保つ
毛髪の発育在促進する
皮下脂肪組織の産生を抑える
骨
骨粗懸症在防ぐ
脂質
善玉のHDLコレステロールをふやす
悪玉のLDLコレステロール在減らす
中枢系
血管運動神経系の症状を抑える
性腺刺激ホルモンの分泌を抑える
乳腺分泌ホルモンの分泌在促す
脳
気分を明るくする
記憶力在維持する
(『図解更年期クリニック」中村理英子著より)
このホルモン補充療法はエストロゲンがかかわっているすべての症状に効果があります。のぼせやほてり、動悸など自律神経にかかわる症状にはとても効果がが現れやすいですね。そのためこうした症状で起こる不眠症やイライラ、ゆうつつなど、精神神経系の症状がよくなることが多いのです」
ほかに神経質、疲労感、関節痛・筋肉痛、頭痛、知覚異常などに効果がある。
ホルモン補充療法は誰もが受けられるというわけではない。乳ガンや子宮内膜ガン、血栓症、重症の肝機能障害がある人は絶対に受けることはできない。また子宮筋腫やインスリンを必要とする糖尿病患者など、できるだけ避けたほうがいい病気もある。
さて、冒頭に出たホットフラッシュについてはどうだるうか。
「ホットフラッシュは男性ホルモンを飲んだからといってそう簡単におさまるものではありません。ホットフラッシュや垂れるような大汗をかく人には、女性ホルモンと黄体ホルモンの合剤を投与することで、なくなった生理をこさせるようにしてホットフラッシュを抑えるわけです。年に2、3回生理があるようにするだけで子宮体ガンを予防することができますから、アメリカなどでは70代まで飲み続けている人もいるほどです」
ホルモン補充療法が骨粗鬆症や高脂血症にも効くことは先述したとおりだ。エストロゲンが骨の形成を促す作用があるからだ。このことは骨量を増やすことで更年期障害の症状を軽く抑えることにも通じる。
「そのためにも骨量を減らさないような生活を心がけることが大切です。食べ物に気を付け、適度な運動をし、1日10分でいいから陽に当たるようにしたいですね」