体質に合った漢方で高血圧を改善 (予防医学、自然療法健康ガイド)
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体質に合った漢方で高血圧を改善

体質に合った漢方の妙薬で高血圧を改善する
陰と陽のバランスか肝心

下谷武志先生 数千年の昔から引き継がれている中国の伝統医学である中医学。この中医学では「気」、「血」、「水」の3つの基本物質が助け合い、抑え合い、変化し合いながら生命活動を維持している。「気」は目に見えない体の機能や働き、つまり人体の抗病能力、「血」は血液、「水」は血液以外の体液を表す。

「気」を「陽」、「血・水」を「陰」と呼び、この陰と陽の調和の下に人間の健康が保たれている。陰(血液や体液)は陽(身体の働き)を原動力として活性化し、全身を循環して五臓六腑に栄養を送る。この陰と陽のバランスが崩れたときに様々な病気が生じるとされる。調和が崩れるのは怒り、恐怖などの七情内傷、労倦(過労)、飲食不摂生に由来することが多い。

 中医学では高血圧になるのは、身体の五臓六腑のうち「肝」(中医学では肝臓だけでなく自律神経機能なども含む)に問題があるためとされている。「肝」は血を貯え、血の循環を調節する。「肝陰」(肝に流れる血液や体液)が不足すると、肝陰を増やそうと肝の働きがオーバーワークとなり、肝陽が過剰となる。そして、「肝陽上冗(じょうこう)」に陥る。すると、血圧の数値が高くなり、肝がSOSを訴える。これが西洋医学でいう高血圧の症状なのだ。
肝だけでなく腎も

 肝の陰陽バランスを整えるだけでは高血圧は改善しないケースがある。下谷武志先生が診療した患者では腎(腎臓、内分泌、生殖機能などを包括した機能概念)も患っていることが多かったという。

 なぜ、肝だけでなく腎も患ってしまうのか。「肝と腎は密接に関わっているからです。体液の組成を一定に保つ役割を果たすのが腎で、肝陰が不足するのは腎の陰陽バランスのくずれが原因です。高血圧を治療するには肝と腎両方のバランスを整える必要があります」と吉祥寺中医クリニックの下谷武志先生は指摘する。

 下谷先生が基本的に診療するのは中医学の漢方薬を使った薬草療法だ。特に、下谷先生が糖尿病の患者の治療に充てるのが「菌陳蒿湯」(インチンコントウ)だ。これは胆汁分泌を促進する利胆作用がある。同時に服用すると効果大なのが「金銭草」だ。

 この金銭草は腎の利尿作用を活性化する働きもある。また、「杞菊地黄丸」(コギクジオウガン)は1つの漢方で肝と腎に効き目がある優れものだ。腎陰の不足を処方する「六味地黄丸」に菊花と枸杞(クコ)をブレンドをしている。菊花と枸杷は肝陰の不足を改善する生薬(数種類の生薬をミックスすると漢方になる)だ。

「最高血圧が特に、高い人には漢方を煎じて飲むことが効果的です。しかし、体質的に合わない人も必ずいるので、その場合はエキス剤で治療します。漢方は個人個人の体質に合った組み合わせで服用できるのが特徴です。そのため、効果の高く、副作用のない漢方薬をいくつものパターンで選び出せます」と下谷先生は話す。

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