一人ひとりに適した高血圧医療を提供するツボ療法
患者さんの訴えに応じた「ツボ加減」
高血圧はいろいろな病気の引き金となる。特に動脈硬化を起こしやすく、やがては心臓疾患や脳出血など日常生活に支障をきたす重い病気を引き起こす、。しかしながら高血圧は簡単に治るものではない。「高血圧の治療には運動、食事などに十分気をつけ、ツボ療法もそれらの一つの手段として取り入れていってもらいたい」と東洋院副院長の竹之内三志氏は言う。
ツボはある種の響きを持っている。その響きをつないでいくと一本の道筋ができ、それは「経絡」という言葉で表現される。経絡には12の名称が付けられている。それは、中国医学においては、身体には六臓六脇の合計12の内蔵があると考えられているからだ。つまり、一つの内臓に一つの経絡が関係していることになる。
六臓六腑についてもう少し詳しく見てみると、六臓とは「心臓」「肺臓」「肝臓」「脾臓(すい臓)」「腎臓」に「心包」を加えたもの。六腑とは「胃」「小腸」「大腸」「膀胱」「胆のう」に「三焦」を加えたものをいう。「心包」、「三焦」は聞き慣れない言葉だと思うが、それもそのはず、それらは実際には存在していない。しかしながらツボ療法においては、心臓を包む臓として「心包」、ホルモンの働きをコントロールする腑として「三焦」というものは大切な臓腑として存在が認められている。
この六臓六腑と連絡を持った12の経絡(正経)に、身体の前面中央を縦に通る任脈、背面中央を背骨沿いに通る督脈という2本(奇経)を合わせて、14経絡と称してツボ療法では重要視している。
また、人間の生命現象を左右するものとして、「気」と「血」の二つの調和も重要だ。血は、血液、リンパ液をはじめもろもろの体液の総称であり、気はその血の運行を司るものとされている。気が働かなくなって、血の運行が滞ってしまうと、気と血の調和がとれなくなり、病気という状態になってしまう。
「気血の循環が順調でないということは、その経絡の通っている筋肉や組織に、あるいは、その経絡に関係する内臓に異常が起こったことを意味しています。ツボは気血の出発点、通過点、到達点であり、経絡を道路に例えた場合、ツボは信号機と考えられます。道路のどこかで渋滞が起こった時は、信号機を操作する、つまりツボに刺激を与えることで再び流れを順調にすることができるわけです」