サメの生肝油でガンを兵糧攻め
血球変形能向上で血流が5分で改善
サメの軟骨、スクワレンなどサメが原料となる免疫活性成分は数多く発見されている。
なかには抗ガン剤開発に利用され、臨床実験にまでいたった成分もある。
このサメ由来の成分のうち、新たに注目されてきたのが「スクアラミン」だ。
血管新生を阻害する作用をもつことから、アメリカでは抗ガン剤開発がスタートしている。
スクアラミンはサメの肝油に含まれていることから、日本では製法で採取されたサメの正肝油を使った実験を福岡大学医学部がおこない、「赤血球変形能に明らかな改善がみられた」と発表。
つまり、血液が「ドロドロ」から「サラサラ」になったという意味だ。漁師たちが"飲んでよし、塗ってよし"の万能薬として使っていた「サメの正肝油」は深海の万能薬になりうるのか。
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サメの肝臓から絞られる「生肝油」がなぜ注目されているのか。それは抗ガン剤をはじめとする新薬開発の現場が地上から海洋へ移行しつつあることが大きな要因である。地上の植物に含まれる成分から開発された薬は枚挙にいとまがないが、ガンなどの病気に対しては特効薬がまだ見つかっていない。それならば、と目を向けられたのが手つかずの"海"である。
では、なぜサメなのか。それは「サメは.ガンにならない」という事実が明らかになったからである。研究を進めたアメリカの免疫学者であるマイケル・ザスロフ博士は、"細菌のスープ"と言っても過言ではない海に生息するサメがガンにならない理由をつきとめる最初の段階で大きな疑問をいだいた。
「通常、動物は脊髄で作られる免疫細胞によって、病原菌などの外敵から身を守っているのですが、サメの骨格は軟骨でできているため、免疫細胞を作ることができません。免疫細胞がなければガン細胞はおろか単なる病原菌にすら身体を胃されてしまうのです」
そこでザスロフ博士は1988年からサメの身体構造とすべての臓器に含まれる成分を徹底的に研究。約5年の研究の末、サメの肝臓に含まれる物質が強力な殺菌作用をもつことをつきとめた。これが「スクアラミン」だったのだ。さらに'研究を進めるなかで、強力な抗ガン作用をもつことも発見。しかも、正常な細胞を傷つけずに、ガン細胞だけを消滅させるという特殊な作用をもっていることを確認したのだ。