アメリカでは『『PET FIRST」
(まずペット診断を)』、日本では民間施設が不足
PETは1970年代前半にアメリカで登場してから開発が進められ、1980代には普及するようになった。現在アメリカではほとんどの大型の医療施設には導入され、専門のPETセンターは約60ヵ所にも及んでいる。このように民間の施設で簡単に検査を受けられる体制が整ったため、『PET FIRST」(まずペット診断を)という言葉を口にする人が多くなったという。
日本では1976年、放射線医学総合研究所で研究がスタートし、現在は東北大学、東京大学、国立国際医療センターなど全国約40ヵ所の医療施設に導入されている。しかし、そのほとんどが研究用に使用されており、一般の人が検査を受けられる民間施設は山梨県の山梨クリニック、東京・板橋区の西台クリニック画像センターをはじめ4ヵ所ほどである。
なぜこれほど優れた検査装置であるにもかかわらず一般に普及していないのか。それにはいくつかの理由がある。
ひとつには設備費が非常に高額であることだ。PET本体が1台7〜8億円であり、検査に必要な放射性物質を含む薬品を造る施設を建設するのに6〜7億円。総額13〜15億円も必要となる。また放射性物質の製造施設はPET検査をおこなう施設に併設する必要がある上、放射性物質を扱うため安定稼動、管理には人員確保、高度な技術が要求される。
このようなことから一般病院での導入はなかなか困難なのである。
アメリカのように一般的な検査手段にならない理由はそれだけではない。すでに一般に開放されている施設においても会員制であったり、検査費用が高額、予約が殺到し数ヵ月待ちであるケースがほとんど。
約200万人といわれるガン患者に加えガン予防として検診を希望する人、術後の再発を懸念する人など後を絶たないことを考慮すると、施設数が絶対的に不足している。全国で4ヵ所の施設しかない現状で対応しきれないことは火を見るより明らかである