さらに、エストロゲンの減少は、更年期障害だけでなく、骨や血管、脳にも影響を及ぼすというのは見逃せない。
「例えば、骨の問題。骨量は20歳後半でピークに達し、その後だんだんと減って行く訳です。骨を作ったり溶かしたりというバランスを保つ役割を果 たしているエストロゲンが無くなると、骨を作るよりも溶かして行く方が強くなります。ですから、閉経すると5年くらいで急速に骨量 が減り、それまでに骨が保たれていないと、骨そ髪症や病的な骨折につながっていくのです。
同様に、閉経することによって血管の機能が悪くなり、心筋梗塞や脳閉塞などの病気が閉経後10〜15年くらいで増えて来るという例もあります。また、脳のいろいろなタンパク質の代謝にもエストロゲンが関係していて、その減少でボケが早く始まったり、痴呆のなかで一番問題になるアルツハイマー病が高齢者に出て来るということも分かってきました。
こういった病気の発症しやすい状態は、更年期に入って急速に進み、危険性が高くなってる訳ですから、女性にとっては非常に深刻な問題です。こういった病気や症状にも、更年期障害とどうように、ホルモン補充療法という、閉経後に出なくなったホルモンを外から薬として補う治療法があります。確実に予防や治療ができるので、欧米ではかなり一般的に使われているのに、日本で理解されない部分もあります。一人ひとりが自分でも勉強して、良いこと悪いことをドクターに問いかけていくことも大切ですね。