不眠症--睡眠のメカニズムを知って快適な眠りの環境を
これで熟睡 不眠症を治す最新治療法の全貌
身体の疲労は、身体を動かさずに休養していればある程度取り除くことができるが、脳の疲労は睡眠をとらなければ回復することができない。最近かなり詳しく解明されつつある睡眠のメカニズムと、快適な眠りのためのヒントを、睡眠研究の第一人者、大熊輝雄医師に聞いた。
15〜20分の昼寝が効果的
睡眠は、誰しも経験があるように、長く起きていると眠気が起こり、眠ると眠気がなくなる。これは、長く起きていると体内に「睡眠物質」が蓄積され、眠ると睡眠物質が分解されてなくなるためだ。
また睡眠は、「概日リズム」(サーカディアンリズム)と呼ばれる1日のリズムの谷間に起こりやすい。たとえば、人間の体温は、午前3〜5時ごろに最低になり、午後3〜5時に最高になるリズムを示し、体温が低い深夜の時間帯には睡眠が起こりやすいのだ。
眠気のリズムには、概日リズムのほかに、「約半日リズム」(セミサーカディアンリズム)と呼ばれる約12時間周期のリズムがあり、午後2〜4時頃に小さい眠気の山が訪れる。
そこで、約半日のリズムで訪れる眠気を克服しつつ、昼間に睡眠物質を十分に蓄積すれば、夜、快適な睡眠を得ることができる。そのために効果的なのが、午後の早い時間に仮眠をとること。
仮眠は、正午から午後2時頃までにとり、時間は15〜20分くらいが適当。1時間以上眠ると身体の機能も休養状態に入ってしまい、目覚めても心身ともにぐったりして、すぐに十分な覚醒レベルに達しない。また、夕方に仮眠をとると、夜になっても睡眠物質がまだ十分にたまっていないため、寝つきが悪くなってしまう。だから、職場などでも、昼食をやや早めにとり、昼休みの間に適当な場所で 15〜20分程度の短い昼寝をするのがよいだろう。
かつては、昼寝などしていると怠け者と言われるような風潮があったが、最近では仮眠をとることで午後の作業効率があがるという研究もあり、従業員のための仮眠ルームを用意している会柱もある。たとえそのような場所がなくても、デスクにうつぶせになったり、いすに座ったまま居眠りをするだけで、脳を休息させることができるのだ。