不眠症--首にやさしい枕で不眠を解消
これで熟睡できる不眠症を治す最新治療法の全貌
枕を変えただけでぐっすり眠れた。ウソのようだが本当の話。枕が体に与える影響に早くから着目して、研究を重ねてきた奥山隆保医師に、睡眠と枕について話を聞いた。
合わない枕が不眠や病気を招く
千葉市花見川区にある、さつきが丘医院の奥山隆保院長は、枕と睡眠の関係を次のように説明する。
「中高年になると、人は枕なしで眠ることができなくなります。また、長年使い慣れた枕にも違和感を感じるようになってきます。それは、加齢とともに徐々に進む首(頚椎)の老化が原因です。合わない枕を使いつづけていると、やがて枕が首を圧迫して血行が悪くなり、首の周囲に集まっている重要な神経に障害が起こって、首筋の痛み、肩こり、頭痛、手足のしびれなどの症状が現れたり、寝つきが悪い、眠れない、寝覚めがすっきりしないなど、不眠の悩みが出てくるのです」
従来、首の老化は男性の方が早く進むのが一般的だった。しかし、女性も男性と同じように仕事を持ち、車の運転や激しいスポーツもやるようになって、女性の首の老化も深刻になってきている。
整形外科医である奥山院長のもとにも、女性の社会進出が目立ち始めた1980年代前半頃から、女性患者が急に増え、「首を壊している女性が明らかに多くなっている」という。
「現代は、車の運転、前傾姿勢の仕事、激しいスポーツなど、首を疲弊させる要因があふれています。本来、昼間の生活で疲れた首を、夜やさしくケアする重要な役目を担っているのが枕なのです。ところが枕選びが間違っていると、頚椎とその周りの神経を十分に休めることができず、睡眠にも大きな影響を及ぼすことになってしまいます」
たとえば、低すぎる枕では、頭の位置が心臓の高さより低くなるため、頭に血がのぼって脳を刺激する。すると寝つきが悪くなるだけでなく、深い眠り(ノンレム睡眠)がなかなか訪れず、熟眠感が得られない。
逆に高すぎる枕や不安定な枕は、頚部を圧迫し、交感神経を緊張させてしまう。交感神経は、昼間活発に働いて、身体の機能を活動させる働きがある。就寝中にこれが緊張していると、深い眠りにつくことができず、睡眠の質が悪くなるばかりか、首の痛み、肩こり、いびきなどが引き起こされるという。
「枕というと、頭をのせるもの、という固定観念があると思いますが、正しい枕選びは、首を中心にして考えることが大切なのです」
硬さ、高さ、素材など、人によって枕に対するこだわりはさまざまだが、夜間にゆっくり体を休め、質のよい睡眠をとるためには、"首にやさしい枕"を選ぶことが重要、と奥山院長は指摘する。