ホットパックやマッサージを取り入れた総合的ハリ治療で症状は好転
これで熟睡できる不眠症を治す最新治療法の全貌
ストレスや過労、不安などが原因で眠れないという人には、ハリはぴったりの治療法。ハリとホットパック、マッサージによって、血液の循環がよくなり、脳がリラックス。そして、質のよい睡眠が得られるのだ。
心因性不眠にハリが効く
東京・新橋で17年の実績を持つハリ専門治療院、一掌堂治療院には、不眠を訴える患者が毎月75人ほど訪れている。これは来院患者全体の約15%にあたり、「世の中の不眠の人とほぼ同程度の割合」という。
不眠の原因には、大きく分けて次の3つが考えられる。
1. 身体因性不眠…アトピー、睡眠時無呼吸症、五十肩など、病気やケガによる痛みやかゆみなどのために眠れない。
2. 環境因性不眠…交代制勤務などの生活のリズムの乱れや、夏の暑さ、騒音などのために眠れない。
3. 心因性不眠…ストレス、過労、不安などのために眠れない。
また、ひと口に不眠といっても、症状によっていくつかの種類に分けられる。
代表的なのは、寝つきが悪い入眠障害タイプ、眠りが浅く途中で何度も目覚める熟眠障害タイプ、明け方に目が覚めてその後眠れない早朝覚醒タイプの3つのタイプ。いくつかのタイプが重複して現れることも少なくない。
このうち、ハリ治療が最も得意とするのは、3の心因性不眠。特に若い人の過労やストレスによる熟眠障害や、更年期の女性を中心とした中高年の入眠障害、熟眠障害、早朝覚醒には、ハリがうまく適応する場合が多いという。不眠タイプ別アドバイスと施術の効果
一掌堂治療院では、一人ひとりの患者の不眠の原因や睡眠障害のタイプを見ながら、快適な眠りを得るための丁寧なアドバイスを行い、それぞれに最も適した治療をしている。
身体因性不眠の場合は、その原因となっている症状の軽減に努めることが先決。そこで、痛みやかゆみを止める治療を行う。
心因性不眠の場合は、最初に睡眠のメカニズムを説明し、「眠らなくても大丈夫」という説明をする。心因性不眠の人は、眠らなければ身体が壊れてしまうと心配で、ますます眠れなくなる、という悪循環に陥っているケースがよくあるからだ。人間の身体は眠らなくても大丈夫なつくりになっていると聞くだけで、不眠がかなり改善することもあるという。
人は眠りにつくと、浅い睡眠と深い睡眠を90分ごとに繰り返している。人間にとって最も重要であり、最も深い眠りである徐波睡眠は、入眠後、最初の3時間くらいまでに見られる。入眠後、3時間後、6時問後と約3時間ごとに覚醒に近い浅い睡眠が見られ、明け方にかけてだんだん浅い睡眠が増えていく。このような睡眠のメカニズムをふまえて、施術前にまず、不眠のタイプ別に次のようなアドバイスを行う。
入眠障害の場合…睡眠不足は、翌日か休みの日に少し多く寝るだけで清算できる。それでも寝不足が続いた日は、自動的に深い睡眠が増えるしくみになっており、どうしても睡眠が必要になれば、身体が強制的に一時的なうたた寝(マイクロスリープ)をするようになっているので、身体が壊れることはない。
熟眠障害の場合…睡眠中は、90分に一度の割合で覚醒と同じくらいの眠りの浅さになるが、目を開けずそのままにしておくと、20分くらいでまた深い眠りに落ち入るので心配はいらない。
早朝覚醒の場合…身体に必要な深い睡眠はすでに十分とってあるので、そのまま起きても身体にとって支障はない。
このような説明を行った後、ホットパックで足腰を温めながら全身を入念にもみほぐし、その後、首の後ろ、肩、背中、肩甲骨周辺を中心に全身にハリ治療を施す。最後に頭と首の特殊なマッサージを行う。
過労やストレス起因の心因性不眠の場合、治療の日はまず、よく眠れるが、何日かするとまた不眠になるのが普通。そこで最初は3日連続で治療をし、その後は3日に1回→7日に1回→14日に1回と少しずつ治療の間隔を開けて治療を継続していく。
治療の長短には個人差があり、1回で完治というのは難しいが、だいたいこれで不眠の軽減、回復に向かうという。