沈黙の臓器「肝臓」 (予防医学、自然療法健康ガイド)
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沈黙の臓器「肝臓」

沈黙の臓器「肝臓」
〜肝臓は人体の中で最も大きくタフな臓器〜

酒飲みは肝臓学に強くなろう|左党にとって肝臓は気になる存在。「肝腎」「肝要」などと大事なことのたとえにも活用されるが、英語のリバー(ドイツ語レバー)には「生命」そのものの意味も込められているとか。右の肋骨(ろっこつ)下部に"温存"されている。

肝臓なくしては、生きていけない。

 重さ1.5kg、体内で最大、最重量の、血潮で満ちた臓器である(1分間にビール2本分もの血液がここに流れこんでいる)。肉食動物は、倒した獲物のまず肝臓にかぶりつく。それ自体が栄養豊富であることを、本能的に知っているのだ。


弱音をはかない臓器だが、無理がたたると・・・

 肝臓は、血液中の栄養分を分解、貯蔵したり、有害物質を解毒、排除したり、血液凝固(ぎょうこ)物質をつくるといった、重要な仕事をしている。このため" 人体の化学工場"ともいわれる。肝細胞は約3000億。その働きは500以上あるといわれ、人知の及ばない領域とあって、完全な人工肝臓はまだ誕生していない。しかも、別名が"沈黙の臓器"。弱音をめったにはかず、ウイルスや細菌にもしぶとく抵抗する。組織の90%がおかされても残り10%で責務をはたすし再生能力まで備えている。

 が、不死身ではない。現に200万人もが肝臓病にかかっているといわれる。肝臓病の人は多く、頼りにされても、対応には限界があるのだ。

■肝臓病でいちばん多いのはウイルス性肝炎


ウイルス性肝炎には3つのタイプがある

 肝臓病にはウイルス性肝炎(急性肝炎)、肝硬変、肝臓がん、脂肪肝などがあるが、最も多いのがウイルス性肝炎。

 このうちA型肝炎は口から感染し流行性が高い。B型肝炎は、おもに輸血から感染する。以前は血清肝炎と呼ばれていた。この二つのウイルスはすでにみつかり、予防法や治療法も確立されているが、もう一つのタイプ、非A非B型肝炎ウイルスは、まだみつかっていない。


酒がまずくなれば肝臓病の疑いが

 わが国では、A型肝炎が10%、B型肝炎が40%、非A非B型肝炎が50%の割合だ。これらの急性肝炎の大部分は発病後1〜2か月ぐらいで肝臓の機能は正常化し、慢性化しないが、B型と非A非B型の約10%は慢性肝炎に移行し、さらに、そのうちの約10%が肝硬変に移行するといわれている。

 肝硬変は、肝臓が大きくなって、かたくなり、表面がでこぽこになる状態。そうなると、肝臓は機能低下を起こし、毒物やアルコールなどの解毒作用がとどこおるため、有毒物質が全身にまわることになる。そして、最終的には脳が障害され、肝性昏睡(こんすい)と呼ばれる昏睡状態に陥り、死に至る恐ろしい病気。肝臓病の終着駅だ。

 一方、肝臓がんには肝臓自体からできる原発性肝臓がんと、胃や大腸などから転移して起こる転移性肝臓がんがある。50歳すぎの男性に多い。肝硬変から肝臓がんを起こすケースが約半数。

 脂肪肝は、肝臓障害の結果、肝細胞の多くに脂肪がたまった状態。特にたんぱく質を十分にとらずに酒を飲み続けたり、肥満や心臓病、糖尿病などによっても起こる。なお、肝臓病のおもな症状は、だるい、疲れやすい、食欲不振、吐き気、酒がまずくなった、など。

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