脳卒中発作の起こりやすい3つの"魔の時間帯"
〜脳卒中の代表は脳出血と脳梗塞〜
1は脳の血管が破れて出血するタイプ。脳出血は、高血圧のために、一部の血管壁がいたんで出血し、脳内に血のかたまり(血腫(けっしゅ))ができて、脳の機能が失われた状態をいい(以前は脳溢血(いっけつ)と呼んだ)、クモ膜下出血は、脳を直接取り巻いている軟膜とその外側のクモ膜との間に出血が起こった状態をいう。
どちらも発作は突然起こり意識不明になる例が多い。
2は脳の血管が狭くなったり、つまったりして、血流が悪くなり、脳が酸素や栄養不足になるタイプ。
脳血栓は、脳の動脈硬化が進行して血管が狭くなり、そのために血液が十分に送れなくなって生じ、脳塞栓は、心臓などからだの他の部分から血のかたまりや組織片が脳にまで達して血管をふさぎ、血液が十分に送れなくなって生じる。
食生活の欧米化により脳梗墓が増えている
このうち、最近増えているのが脳梗塞。その理由としては、
1.降圧剤の普及やたんぱく質の摂取量が増えて一般的に日本人の血管が丈夫になり、その結果として脳出血は減ってきた、
2.しかし、脳出血はまぬがれたものの、国民の高齢化により、動脈硬化や高塩圧の程度が進んで脳梗塞になる人が増えた、
3.そして、その背景には、肉類などをたくさんとる食生活の欧米化が進み、その結果、動脈硬化を起こす人が増えている、
などが考えられている。
脳卒中最大の散は寒さ
ところで、脳卒中は1日のうちで、何時ごろに起こりやすいか。不幸にして死をもたらした脳卒中の発作に、午前7時台、10時台、午後5〜6時台と、1日に3つの"魔の時間帯"があることが、厚生省の調査でわかった(1983・1・6発表)。
これは、山形、愛知、高知3県の、脳卒中で死亡した30歳以上の約2200人を追跡調査した結果、料明したもの。
「発病時に何をしていたか」では、就寝中が約22%、食事・だんらん中が同14%、用便中が同9%の順。この時間帯に血圧が変化し、脳卒中の引き金になったので.はないかとみて、同省でさらに調査を進める方針。
ほかに、半数近くが発作後1週間以内に死亡したことなどもわかった。
脳卒中の最大の敵は寒さ。"山"のひとつ、午前7時台は起床時間。暖かいふとんから出たときなど、冷えた室内との温度差があるため、発作を起こしやすい。
そこで、起床前にストーブで室内を暖めておくといった配慮が必要。また、暖房がきいたオフィスから外出するようなときは、厚着を心がける。
一方、用便中に発作を起こしやすいのは、トイレの室温が低いのと、排便の際のいきみ。そこで、トイレの暖房、からだを冷やさないように1枚多く着てトイレに入る、いきまずに用をたす、などの配慮を。
また、脳卒中の発作を起こしやすい季節との関連でいえば、脳出血は冬(真冬から3月)に多く、脳梗塞は季節の変わり目(3月と9月、それに5〜7月)に多いので、この季節はくれぐれも注意を。