みそ汁好きには胃がんが少ないといわれるが
〜みそ汁から発がんを抑える化学物質が発見された〜
以前に元・国立がんセンター研究所の平山雄疫学部長は、毎日みそ汁を飲んでいる人は、胃がん、心臓病などにかかりにくい、という調査結果を発表して注目を浴びたが、これを裏付ける研究結果が発表されている(1984年4月1日)。
東北大学農学部食糧化学科の木村修一教授、大学院生の岡崎秀氏らの研究で明らかになったもので、みその脂肪中から見つかった脂肪酸エチルエステルという化学物質は、発がんと関連のある変異原性を抑える働きがあるという。
この抗変異原性物質はみその中にかなりの量が含まれていて、1食に1杯のみそ汁を飲めば、1回の食事で摂取する変異原性物質の作用を完全に打ち消すほどとか。
具をたっぶり入れて、蕩味で飲む習慣を
このような調査結果に、「アツアツのごはんにみそ汁、それに納豆、のり、アジの干ものがあれば幸せ」派の人は、最近押されがちな洋食派に、なんとなく、溜飲がさがる思いがしたことだろう。
しかし、ちょっと待ってほしい。がんの原因がはっきりわかっていない現状では、これをもって、毎日みそ汁を飲んでいればがんにならないとか、みそ汁を飲んでいなければ必ずがんになる、などということは決して断言できないのだ。
それに、みそ汁は漬けものとともに高塩料理の代表とされ、減塩運動の矢面に立たされていることも、ご存知のとおり。
要は、ひとつの病気とひとつのことがらを結びつけすぎないことが大切だ。がんは防げたが、高血圧による脳卒中で倒れたというのでは、なんにもならない、
ただ、飲み方さえ注意すれば、みそ汁が健康によいことは事実。大豆からできたみそは重要なたんぱく源になるとともに、ビタミンCや繊維の豊富な野菜や海草などの具をたっぷり入れると、成人病予防効果は満点だ。現に、みそ汁好きの地方でも、具を多く入れている地方では、脳卒中が決して多くないという統計が出ている。
1日1杯、具を豊富に入れて、味はもうひと味濃ければと思うくらいの薄味に抑える——こんな点を心がけ、みそ汁を楽しみたいもの。