アトピーの予防と治療に欠かせない
乾燥肌を退治するスキンケアの重要性
アトピー性皮膚炎になると、皮脂の分泌能力が低下し、外部からの異物の侵入を防ぐバリア櫨能が壊れ、ドライスキン状態になる。皮脂膜についたアレルゲンを落とし、かさついた肌を正常な状態に戻すにはスキンケアが大切だ。
アトピー性皮膚炎(以下アトピー)の皮膚には、いくつかの特徴がある。角質層にはセラミドと呼ばれる細胞問脂質があり、皮膚から水分が蒸発するのを防いでいる。しかしアトピーの皮膚はセラミドが少なく、保湿能力が低下しているため、乾燥したガサガサの肌になる。また正常な皮膚は、皮脂によって異物の侵人がはね返されるが、皮膚のバリア機能が低下しているため、アレルゲンや微生物などが容易に入り、アレルギー反応を起こしやすくしている。こうした理由から、とびひやみずいぼといった皮膚炎が起こり、かゆみも生じやすくなると考えられている。
そこで、アトピーの予防と防止に役立つスキンケアが求められるのである。スキンケアは治療に直接関わるわけではなく、治療効果を上げるためのサポートであり、病的状態を引き起こさないための予防的ケアである。アトピーの患者さんにとっては、とりわけ必要なことである。
乃木田医師 具体的なスキンケアのステップを、スキンクリニック代官山の乃木田俊辰副院長に聞いてみた。
「まず人浴などで肌を清潔にすること。その際、石けんやシャンブーが残留しないよう、すすぎを、丁寧に行います:次に乾燥に対するスキンケアです。入浴後の皮膚の柔らかいうちに、ワセリンなどの皮脂代用基剤、尿素軟膏やヘパリン様物質のヒルロイドといった保湿薬を塗ることが好ましいでしょう。しかし炎症が激しい時はステロイド外用剤で抑え、スキンケアはその後ということになります」
信頼できる皮膚科専門医を探す
アトピーの治療に用いられるステロイド外用薬は、強力な抗炎症作用によって迅速な効果をげてきたその一方で、副作用も知られるようになり、再発や中止後のリバウンドも問題となっている。
乃木田副院長によると、アトピーを火事に例えた場合、燃え盛る炎を消すには二通りの方法があるという。一つはステロイドを使わない民間療法のようなもの。しかしそれは水鉄砲での消火に近いともいえる。それでも燃えるものがなくなれば火も消えるので、いつかは治るという。もう一つは化学消防隊で迅速に消す方法。これがいわゆるステロイドだ。
「私は皮膚科の専門医として皮膚の状態を慎重に観察し、部位によって強さを調節したり期間を限定するなど、細かい指示を出します。副作用があることも事実ですが、正しい使い方をすれば問題はないのです。
今、皮膚科を探しているいる人は、皮膚科専門医の資格を取得した医師にかかることをお勧めします。それを見極めるためには、まず電話などで確認すること。今は医者を選ぶ時代ですし、医者は患者さんの疑問質問に答えるべきで、それは決して失礼なことではありません。私も家族の病気を経験してきたのでよくわかりますが、いかにいい先生に巡り会うか、それはとても重要なことなのです」
改善までに時間を要するという病気の性質上、医者を転々とするケースも少なくない。
多くの皮膚科医が、ステロイドが恐い薬ではないことを明確に説明できなかった、あるいは一緒に治療するという関係作りが足りなかったのであれば、それは大いに反省すべきだろう。
またアトピーでは心のケアも重要となるが、なかには精神科と連携して治療を行う病院などもある。同クリニックでは大学病院、一般病院の教授らとの連携システムを確立しているので、信頼のおける皮膚科専門医の紹介も可能だ。