超音波と焼灼凝固装置を結合、ガンを焼き切る療法
焼灼療法とは超音波と焼灼凝固装置を結合させ、ガンを焼き切るという療法だ。メスを使用しないので、入院はわずか1日で済んでしまう。
焼灼療法の手順はこうだ。
まず超音波でガン細胞の位置を確認する。位置がわかれば、そのガン細胞をめがけて特殊な鉗子を皮膚の上から刺す。
鉗子の先からは爪のような4〜7本の針が出るようになっている。そして先端がガン細胞に達したときにガン細胞に食い込む。鉗子には電熱が通 るようになっており、電熱を通すと針の先端部分からレディオフリクエンシーが出る。
7、8分も経つと針の周辺部は約100度となり、ガン細胞は焼き切られる。ガンが焼き切られれば、針を鉗子の中へしまい込み、鉗子を抜き出す。
メスはいっさい使わない。よって血は一滴も流れない。
この療法を実施している医師によると、焼灼療法の優れている点として、まず開腹しないので術後の痛みがないこと、鉗子は高温のまま体から抜き出すため出血しないこと、引き抜いた後もメスで切ったような大きな傷痕は残らず、小さな穴が皮膚に残るだけなので、バンソウコウを張るだけ済むこと、切開手術のように他の組織を破壊せずに済み、そのことによって肝機能の低下や合併症の危険性を回避できることなどが挙げられよう。
これらにより、入院日数は最短でわずか1日で済んでしまう。早い時期に食事や軽い程度の運動ならばできるので、入院に伴うストレスも少ない。
ではどのような部位のガンにこの焼灼療法は効果を挙げているのだろうか。得意分野は肝臓、腎臓、前立腺などだ。逆に胃ガンや肺ガンには向いていないという。これらの臓器は空洞部分があるため超音波が反応しにくいからだ。
治療費だが、ハワイ大学の例でみると、3週間のホテル代も含めて総額で100〜200万円ほど。日本で治療を受ける場合も保険診療外の扱いとなり、すべて自費による負担となってしまう。
簡単そうにみえることから、日本では放射線科や内科の医師がこの療法を行なうことがある。しかし肝臓ガンなどは解剖を知り尽くしている外科医に委ねるのが最良という。