【1】糖尿病性神経障害
糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、神経細胞にソルビトールという物質がたまって細胞が変性を起こし、主に末梢神経が障害されていくのが糖尿病性神経障害である。
大人の男性の糖尿病といえば即座にインポテンツと言われるほど、その障害が神経系統にみられることが多い。その特徴は次のようなものだ。
■長い神経から侵されやすい
手の神経よりも足の神経のほうが長いので、足に障害が出やすい。
■左右両方に起きやすい
片方だけの足に障害が起こるのではなく、左右両方に起きやすい。
■興奮から低下へ
初期には神経が興奮することによる過敏症状が現れるが、持続すると神経の働きは低下する。
■他の合併症を伴いやすい
特に糖尿病歴が長くコントロールが悪い場合、目や腎臓などほかの合併症を伴いやすい。
■手足のしびれを伴う
初期は代謝障害が中心に起こるため知覚神経に障害が起き、虚血(血のめぐ りが悪くなること)を起こして手足のしびれや痛みといった過敏症状が現れる。
■自律神経が障害される
自律神経が障害されることにより、め まい、たちくらみ、腹痛、吐き気、下 痢、便秘、インポテンツ、発汗異常、 排尿困難、起立性低血圧といった症状が出る。
実はこの神経障害が進行すると神経の働きが低下するため、初期にあったはずの痛みやその他の症状を一時的に感じなくなる。
しかし血糖のコントロールを改善し神経の働きを良好にするといった治療が行われると、再び神経過敏症が現れて痛むようになる。
すなわち糖尿病性神経障害には、初期段階で痛みを感じ、進行すると痛みが止まり、治療の経過で改善が見られるとまた痛みはじめるという特質がある。そのため、主治医をヤブ医者であると勘違いしてしまうケースが問題になっている。